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『エンド・オブ・ザ・ワールド』(2001年)/後味の悪さNO.1

『エンド・オブ・ザ・ワールド』(2001年)/後味の悪さNO.1

個人的に「後味の悪さ」ナンバー1の映画、『エンド・オブ・ザ・ワールド』を紹介します。

今回はホラー映画ではありません。オーストラリアのテレビ映画です。

完全なネタバレを含みますが、あらかじめご了承ください。

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『エンド・オブ・ザ・ワールド』概要

『エンド・オブ・ザ・ワールド』概要

今回は、あらすじも紹介します。個々のエピソードもあるものの、おおまかなあらすじは、以下の通り。最初から最後まで、です。

アメリカと中国の核戦争で、北半球の人類は放射能汚染で全滅。南半球の人々は生き残るものの、次第に放射能汚染が深刻化していきます。人類の滅亡までは残り2か月。

しかし科学者たちは「北半球に生存可能な地域がある」という仮説を出します。さらにアラスカのアンカレッジからは「希望を捨てるな」というメールが。

片道1か月掛かるものの、生存可能な地域があれば、1000人は救えると考え、海軍は原子力潜水艦を使いアンカレッジ探索へ。しかしメールは自動送信されていただけであり、北半球はいまだ深刻な放射能汚染が続く状態。

そしてオーストラリアでも放射能汚染が始まります。治安は悪くなり、町は荒廃、潜水艦の乗組員たちは最後の旅へ…。

嫌な内容ですよね。予告編を探そうとしたら、日本語吹き替えの本編が動画サイトにありました。

開始すぐに「サイレン」が鳴ります。トラウマがあるかたは気を付けてください。

『エンド・オブ・ザ・ワールド』の原作は「渚にて」

『エンド・オブ・ザ・ワールド』、つまり、世界の終焉が題材です。

これまでも『セブン』『ヘレディタリー/継承』など後味の悪い映画を紹介してきました。しかし個人的には後味の悪さでは『エンド・オブ・ザ・ワールド』が優勝しています。

この映画はネビル・シュートの「渚にて」が原作です。「渚にて」はグレゴリー・ペックやエヴァ・ガードナーの出演で、1959年に映画化。

『渚にて』自体は有名なので、知っていました。内容的に好きじゃないと分かっていたから、見ていなかった作品です。

そう、『エンド・オブ・ザ・ワールド』の原作が「渚にて」だと知らずに見たのです。

知ってたら絶対に手を付けなかったことでしょう。しかも最後まで見終わってから「渚にて、では?」と気付いた始末。

そのため途中で、登場人物のように、叶わぬ希望を抱くことに。

195分も掛けて絶望を味わう羽目になるとは思いませんでした。見終わってから1週間くらいは、頭から離れなかったものです。

災害時における日本人の冷静さ

暴動のシーンは、いつ見ても理解できません。「暴れたって変わらない」という日本人特有の考えがあるからでしょう。

記事を書いているのは、2021年3月9日。10年前の2日後が、あの3.11です。

停電し、道路は渋滞。しかし交差点には誘導をする人が立ち、クラクション1つ聞こえませんでした。商店やコンビニには行列が出来ていたものの、そこも静か。

沿岸地域は壮絶な状況だったことでしょう。私が住む町や職場がある地域も、沿岸は大きな被害が出ています。しかし海から遠い場所については静寂そのもの。

10年後に振り返って考えてみても、あのときの日本人ってすごかったと思うのです。

道路も電気も水も、他の国では考えられない速さで復旧しています。いろんな人が大変な思いをしながら働いてくれました。

災害時における日本人の冷静さは世界に誇れるものの1つだと感じています。冷静じゃないとしても、冷静であるべく努力をした人が多かったというか。みんな頑張って、やっと10年。ここでは多くを語りませんが、本当に、いろんな意味ですごい出来事でした。

さて、話を『エンド・オブ・ザ・ワールド』に戻します。

もうだめだ、打つ手がない、という段階になると、かなり町は荒れていきます。あの状況でも日本人は(比較的)規則正しく暮らしそうな気がしますよね。いろいろ悩んだり苦しんだりしつつも普通に通勤していそうなのが日本人。

そんな日本人から見ると、あの暴動は少し理解できないのですが、まあ世界も滅ぶしなあ、と思うしかありません。

エンド・オブ・ザ・ワールドの評判は?

『エンド・オブ・ザ・ワールド』概要

Filmarksでの評価は3.5と、比較的好評です。Filmarks

リアルで、反戦のメッセージ性も高く、丁寧に作られている映画だと感じます。

200分と長い映画ですが、それほど時間は気になりませんでした。

しかし丁寧に作られていてリアルだからこそ、見ていると憂鬱になってしまいます。

アンカレッジからのメールで希望を持たせられるからこそ、その後の絶望感が格別です

『エンド・オブ・ザ・ワールド』感想

『エンド・オブ・ザ・ワールド』概要

「世界が滅びそう」→「希望があるかも」→「ごめん、だめだわ」これが『エンド・オブ・ザ・ワールド』です。

個々のエピソードには感動要素もあったような。しかし物語全体のインパクトが強すぎて、何もかもがかすんでしまいます。

こうなってくると気になるのが「渚にて」です。見比べたい気持ちもあります。でも気が進みません。多分見ないまま終わる予感がしています。

そう考えると、中途半端な希望って良くないものだなと感じるばかりです。

「エンド・オブ・ザ・ワールド」は、メンタルが弱っている時にはおすすめできない映画の1つとなります。あまり気分が沈んでいるのなら、この映画は避けましょう。

幽霊や悪魔は出て来ないため心霊的な怖さはありません。

DVDは持っているのですが見返す気になれずにいます。

1回しか見ていないのに記事にしたいほどインパクトが強い作品だともいえます。

私の場合は、見終わったあと、強い虚無感で何もする気が起きませんでした。そんな気分を味わいたいかたにおすすめです。

「エンド・オブ・ザ・ワールド」基本情報
公開:2001年
監督:ラッセル・マルケイ
出演:アーマンド・アサンテなど
時間:195分