『ヘレディタリー/継承』(2018年)/21世紀最高のホラーとは

『ヘレディタリー/継承』(2018年)/21世紀最高のホラーとは おすすめ映画
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「21世紀最高のホラー映画」ともいわれる『ヘレディタリー/継承』を紹介します。

公開から3年近いので、若干のネタバレを含みます。

『ヘレディタリー/継承』概要

アリ・アスター監督の長編映画デビュー作品となるのが『ヘレディタリー/継承』です。主演は「シックス・センス」などに出演していたオーストラリア出身の女優、トニ・コレット。

見えていないもののほうが、見えているものよりも怖い時ってありますよね。そんな映画だと感じます。

想像できない怖いことが起きるかもという恐怖

開始直後、アニーの娘であるチャーリーは外出先でアレルギーによる呼吸困難に。そのチャーリーを兄であるピーターが車で病院に運ぼうとします。そこで、チャーリーが!窓から!顔を!出してしまうのです。

「走ってる車の窓から顔を出してはいけない」って、昔から言うでしょ!出しちゃダメでしょ!ここの流れは想像ができます。窓を開けようとした瞬間に「これは」と思いました。

問題は、このあと。例えば、普通なら警察なり親なりに連絡するはず。ところが強いショックを受けたピーターは、そのまま帰宅してベッドに入ってしまうんですよ。次の朝、車に行ったアニーは当然ながら車の中を見ます。ここは、想像を越えてきました。まさか、そのまま放置するとは思いませんから。

普段ホラーやスラッシャーを見ているなら、視覚的な怖さは、それほど感じないはずです。しかし、この「想像できる部分」「想像を越えてくる部分」の組み合わせによって、『想像できない怖いことがあるかも』という気持ちになってしまうのです。これがすごいと感じます。

途中でチャーリーの頭部が登場します。しかし、このシーンよりも「娘を発見したであろうアニーの悲鳴」が怖かったです。確かベッドに無表情で横たわるピーターの顔だけが写っていた記憶。アニーが見ているものは見せてもらえないんです。そのため想像するしかありません。怖。

The Strange Thing About Johnsons

『ヘレディタリー/継承』は、多数の伏線を回収しつつ、あのラストへ。

英雄もエクソシストも出てきません。無事にバッドエンド。何の救いもありません。さらに、そこから何が始まるかも分からないという漠然とした不安も残ります。なかなか後味が悪い映画です。

そんなアリ・アスター監督といえば強烈なのが「The Strange Thing About Johnsons」という30分程度の短編映画です。卒業制作として作られたもので、幽霊は登場しませんが不気味な物語です。『ヘレディタリー/継承』以上の後味の悪さとなっています。

『ヘレディタリー/継承』感想

ヒット作を見ない傾向にあるものの、やはり「21世紀最高のホラー映画」といわれたら見ないわけにはいきません。

「いままで見た映画の中で1番怖い」とまでは感じませんでした。しかし『ヘレディタリー/継承』は不安の煽りかたが秀逸。絶賛されるのが理解できる映画です。

また内容が現代的です。そういう意味では、やはり21世紀最高といわれるのも納得。

グループカウンセリングや降霊術を経て、アニーは子供を守らなくてはならないことに気付きます。ところが配偶者には理解してもらえません。この孤独感、見ていてつらいものがあります。

精神的な不調って周囲からは理解されづらいものです。そして本人も、そのことは理解しています。でも放置していたら子供は悪魔のものになってしまうんです。

分かりやすくいえば、アニーは「詰んでる」状態です。どうしろと。悪魔的な話そのものよりも、アニーが抱える孤独感と絶望感が怖いです。万事休す。打つ手なし。

アリ・アスター監督作品も『セブン』同様に鬱エンドですね。

同監督による『ミッドサマー』も、近々見ようかと思っているのですが、内容は知っているだけに、なかなか踏み切れずにいます。

「ヘレディタリー/継承」基本情報
公開:2018年
監督:アリ・アスター
出演:トニ・コレットなど
時間:127分
映画『へレディタリー/継承』公式サイト

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