【体験談】鼓室形成術とは?手術の内容や痛みなどについて紹介

普段と趣を変えて、「鼓室形成術」の体験談を紹介します。しかもオンタイム。病室で手術当日と翌日に少しずつ書き、入院中にまとめました。そもそも仕事を進めたいのですが、やはり痛みがあり集中力も低いので無理。そこで別な記事を書いてみます。
今回は鼓室形成術の「痛み」の話。これから手術を受けるかたの参考になれば幸いです。あわせてFAQも紹介。なお個人差が大きい可能性がありますので参考程度です。くわしくは担当医に相談してください。
※犬はまったく関係ありません。
鼓室形成術について
まずは今回の鼓室形成術について簡単に紹介します。お医者様の説明や手元にある資料などをもとにして、簡単にまとめました。
慢性中耳炎などにより鼓室形成術を受けたいと感じているのなら、病院での相談がおすすめです。かかりつけ医に相談しましょう!
「鼓室形成術」とは?
慢性中耳炎や真珠腫性中耳炎などにより、以下のような症状がある時に行われるのが「鼓室形成術」です。
- 鼓室や乳突蜂巣に病変がある
- 耳小骨に異常がある
- 鼓膜に穿孔がある
簡単にすると「鼓膜に穴や異常があって、耳鳴り・難聴・耳垂れ(耳漏)などの症状が見られる」時の対処法の1つです。慢性中耳炎の症状として耳鳴りや難聴、耳垂れが出ているのなら、落ち着く可能性があります。※ただし内耳機能は回復しません。
鼓室形成術では、穿孔があるなら鼓膜の再建も行われます。また必要に応じて耳小骨の再建も行うとのこと。
鼓室形成術で行うこと
個人差もあるかもしれませんが、私の場合は以下のような流れでした。
- 耳の前または後ろを切開して「鼓膜」の材料を採取
- (必要の応じて)ノミによる外耳道骨削開
- 点検と病巣除去
- 耳小骨連鎖再建
- 鼓膜穿孔封鎖
- 生体接着剤による鼓膜の接着
これも分かりやすくすると、「鼓膜に穴が開いてるから、耳の前から後ろを切開して組織を取って、穴を塞ぐね。骨も必要があれば削って治すね」というところでしょうか。
鼓室形成術には痛みがあるの?
今回特にお伝えしたい話が、この「痛みはあるのか」です。病院や手術の方法について詳しく書いたサイトを見ても、どこがどのように痛むのかについては明記されていません。
どのくらい痛いのか、不安になる方もいるでしょう。
そこで手術中とその後に分けて、どのくらい痛むのかを紹介していきます。
※前提として、どちらかといえば耳や外傷的な痛みには「強い」タイプです。当然感じ方には個人差がありますのでご了承ください。
手術中は痛い?
「麻酔の注射は痛いから、とりあえずそこは我慢してね」と繰り返し教えてもらいました。
正直なところ、手術中は、麻酔よりも、手の甲に打った点滴が痛かったです。右肩に打った筋肉注射は痛みなし。耳の後ろ?上に打った麻酔は、痛みはあるものの、それほどでもなかったと感じます。耳の中に打つ麻酔も大丈夫でした。
局所麻酔であったため、総じて「歯医者の麻酔」みたいなイメージです。何をされているかは完璧に聞こえるし、ゴリゴリ・がりがりという音はします。鉗子で引っ張っているのか、つまむような感触があって、すこし苦手だと感じました。
耳の中での作業中も、ちょっとだけ「痛い?ような?痛いかも」という瞬間がありました。痛いときは麻酔を足しますね、という話でしたが、実際に足したかは不明です。
私の場合は40分ほどで手術が終わり、そのあとに多少処置をしてもらい、診察をして部屋に戻りました。そこでお茶を飲み、問題なかったので10分後には食事。
内臓系ではないからか、食事の量も多くて、味も薄めではありませんでした。
手術後は痛い?
「さっきまで手術していたのになあ」と思うほど、痛みやめまい、ふらつきもなく「うどん」を完食。それが17時頃です。疲れたので、いったんそのまま寝ました。
そして19時過ぎ、痛みで目を覚ましたのです。痛いのは耳の中ではなく、外側。鼓膜にするための組織を取った場所ですね。数センチほど切開しているため、痛むのも無理はありません。激痛ではないものの「痛い」と明確に感じました。
ちょうど回診があったので、確認のうえで痛み止めを飲んで再び就寝。そのころにはすでに熱が上がっていました。私は37度~37.5度前後まで。
痛み+熱がつらいものの、寝すぎると腰が痛くなります。寝つけず、30分に1回ほど目を覚ましました。
熱が下がったのが翌朝4時半過ぎ。
翌日夜の段階でも多少の痛みは残っていましたが、前日ほどではありません。
鼓室形成術で実際に感じた疑問と答え
いざ入院手術となると、やはり疑問も多く、不安にも感じるもの。そこで自分が感じた疑問や、入院して困ったことについてFAQで紹介していきます。
※基本的には「病院次第」です。実際に入院や手術をするのなら、その病院で相談しましょう。
入院・手術時に「あれば便利」と思ったものはある?
熱が出るため、以下のようなアイテムがあれば便利です。
- 熱さまシート的なもの
- スポーツドリンク
- 汗を拭くためのタオル
- (下剤)
- (爪切り)→緊急性ないけど非常に気になってます。
シートそのものに熱を下げる働きはないと聞いた記憶もあります。ただ熱があるなら、貼ると気持ちが良いですよね。スポーツドリンクは自動販売機売り切れで買えませんでした。
(ストレスで便秘をしがちな場合は、入院日数によっては下剤があると安心かもしれません。ただし薬なので、服用は医師の指示に従ってください。私は処方薬を忘れてきてしまい、つらい数日を過ごしました)
パニック障害でも問題ない?
局所麻酔で顔には布、自分は横になっていて何が起こってるか見えない……という状況ですが、とりあえず挑戦しました。ただしパニック障害であることは伝えており、入院した段階で頓服も服用しています。
長らく決断できずにいた理由の1つがコレです。ほぼ症状が出ないのもあって決断しました。現在進行形で発作がひどいかたは様子を見てもよいかもしれません。医師に相談してみましょう。局所麻酔では難しい人もいると思います。
パニック障害関連の記事はこちら→パニック障害患者がコロナウイルスワクチン接種(1回目)をした感想
鼓室形成術での入院は飲食に制限はあるの?
飲食について他の患者が確認しているのを耳に挟んだのですが、「特に制限なし」と聞こえたような。たとえばおやつもOKなのかは、聞いてみてもよいかもしれません。院内では自由に自動販売機のジュースを買って飲んでいます。
鼓室形成術での入院は面会できる?
できませんでした。病院によると思われますが、現在は新型コロナウイルス感染拡大に伴い、入院後は「外出NG」「面会NG」としている病院も多いはず。不足がないように準備してください、とも言われました。気になる持ち物は、確認しておきましょう。
鼓室形成術での入院は何日で退院できる?
3~4泊の予定で入院していましたが、2日目の段階で「明日の退院もOK」とは言われました。遠隔地の病院で移動が不自由であるため、いろいろ悩んだ結果、2泊3日にしました。
なお病院によっては日帰りにも対応しているとのこと。
※一般の病院だと2~3週間と、いろいろ幅があるようです。
鼓室形成術は生命保険の給付金の対象になる?
鼓室形成術自体が対象になっている保険が多いようです。地元の耳鼻科医から「保険の対象」と言われました。実際にはこれからの申請ですが、事前に保険会社に連絡した段階では、特に問題がなさそうです。
ただし保険の契約内容によりますので、確認してくださいね。
鼓室形成術での入院は高額医療費の対象?
入院して鼓室形成術をするという時点で、おそらく対象になる額です。入院手続きの際には、受付で案内されるでしょう。緊急性がなく「受診→手術と入院の日を予約」というスタイルなら、事前申請できます。
退院後に限度額の手続きをしようとしても、時間がかかります。入院前の手続きなら、その場で支払う金額を抑えられるでしょう。くわしくは病院の会計で相談してみてください。
別ブログで高額医療費について詳しく紹介していますので、あわせてごらんください→【体験談】Webライターが入院したら?準備や手続きなどを紹介
鼓室形成術で聞こえは変わった?
手術直後に行った聴力検査では、低音域に改善が見られました。やがて鼓膜がきちんとできあがると、もっと良くなるという話です。
現状まだ綿を詰めている状態なので「すごく良い」という感じはありません。今後が楽しみです。
なぜ鼓室形成術を受けることなったの
かかりつけ医からの提案です。もともと10年以上、耳垂れや痛み・かゆみに悩まされていました。聞こえもかなり悪い状態です。そこで手術の話はされていたものの、怖すぎるからと決断できず。
2021年末に耳の調子が悪くなった時、そろそろ……という話があり、そこから数か月悩みつつ、仕事が比較的落ち着いているタイミングで手術しました。
全国から患者さんが足を運んでいる病院だったようです。
入院中につらかったことは?
禁煙はつらいと感じます。実際に入院してみると、意外と、我慢自体はできるもの。ただ、食後などふとした瞬間に、早く退院したいと感じます。
入院中の1日は?
手術日以外は、あまりすることが多くありません。6時に起床して、約1時間半後に食事。薬を飲んだ後、傷口を消毒してもらい、医師の診察。その後は昼まで何もなし。昼を食べたら薬を飲む。その後は夜まで何もなし。夜を食べたら薬を飲む。回診がある。返事をして21時に消灯時間。※病院によります。
麻酔が切れてから数時間は痛むものの大丈夫
麻酔が切れてから数時間は痛みますし、熱も出ます。麻酔や手術の疲れか、普段よりは頻繁に眠くなるのが印象的でした。どうしても長時間起きていられません。緩やかに回復していけばよいなと考えています。
どうしても踏み切れず、最初に手術の話を聞いてから数年が経過しました。耳の後ろを切るとか、耳の中に何かいれるとか、怖いと感じるもの無理はないもの。
長い年月かかりましたが、これで耳垂れや難聴の問題が回復すればよいなと感じています。
今回画像や動画などの紹介は差し控えました。興味があったら画像や動画もぜひチェックしてみてください。正直なところ鼓膜の調子が良いかたにとっては無益な記事です。しかし手術をすすめられているかたにとって、参考になることを願っています。
本記事では自分自身の経験をもとに記載しています。痛みの感じ方には個人差があり、けっして同じにはならないことをご承知おきください。
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