【体験談】未破裂脳動脈瘤での脳血管造影検査による入院や痛みを紹介
2022年11月に、未破裂動脈瘤のカテーテル検査(脳血管造影検査)を行いました。
多少延期になりましたが、治療も行う予定です。
本記事では動脈瘤が見つかった経緯や、カテーテルを使った検査の痛みなどについて紹介します。
これからカテーテル検査(脳血管造影検査)を受ける人の参考になれば幸いです。点滴や止血部位の写真があります。特段グロテスクではありませんが苦手な方はご注意ください。
実際に手術を受けたので、その内容も紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。⇒【体験談】 未破裂脳動脈瘤の手術は怖い? 痛み・入院・手術について!
未破裂脳動脈瘤とは
未破裂脳動脈瘤とは、まだ破裂していない段階の脳動脈瘤を意味します。
脳動脈の血管壁が薄く脆くなって膨らみ、こぶのような状態になったのが「脳動脈瘤」です。
原因は解明されていないのですが、脳動脈瘤には次のようなものが関連しているとされています。
- 高血圧
- 喫煙
- 遺伝
脳動脈瘤の破裂によって引き起こされるのが「くも膜下出血」です。
くも膜下出血は、脳卒中のなかでも予後が悪いとして知られています。
発症すると1/3は死亡し、1/3は後遺症が生じるので注意が必要です。
未破裂脳動脈瘤が見つかった経緯
私が「未破裂脳動脈瘤がある」と知ったのは2022年7月でした。
きっかけとなったのが、通っていた内科の閉院です。私は頭痛持ちであるため、鎮痛剤を処方してもらっていました。しかし内科の閉院に伴い、医師から「頭痛外来で相談してみては」と提案されたのです。
頭痛外来では漢方薬や痛み止めを処方されましたが、MRIでの検査もありました。
そこで脳動脈瘤と思われるものが見つかり、脳神経外科を受診することになったのです。
脳神経外科で、造影剤を使ったCT検査を行い、6ミリ~の脳動脈瘤が見つかりました。また1つではなく、複数あるのも判明しています。
未破裂脳動脈瘤の治療方法
未破裂動脈瘤の代表的な治療方法は2つです。
- 開頭クリッピング
- コイル塞栓術
開頭クリッピング手術とは、脳動脈瘤の根にあたる部分を金属のクリップで挟む方法です。文字通り頭部を見ながら手術をするため、確実性が高いとされています。
コイル塞栓術とは血管内治療のことで、腕や足からカテーテルを入れて、画像を見ながら脳の血管を治療する方法です。こぶのなかにコイルを詰め、血液が入って破裂するのを予防します。
未破裂脳動脈瘤を発見されてからの流れ
未破裂脳動脈瘤が見つかってからの流れを紹介します。ただし人により流れは違ってくるでしょう。そこでもし未破裂脳動脈瘤が見つかったら、医師の指示に従ってください。
私の場合は、次のような流れで進んでいます。
- 頭痛外来を受診してMRI検査をする
- MRIで脳動脈瘤が見つかり別な病院を紹介される
- 別な病院で造影剤を使ったCT検査を行う
- CT検査で脳動脈瘤の大きさがわかる
- 造影剤を使ったカテーテル検査を行う
- カテーテル検査で卵巣嚢胞が見つかる
- 卵巣嚢胞の検査を受ける
手術が延期になる見込みなのは、卵巣に異変が見られたからです。ただし検査の結果、卵巣嚢胞は問題のないものでした。そのため近々、未破裂脳動脈瘤の治療を受ける予定です。
【体験談】未破裂脳動脈瘤のカテーテル検査
私は医師から「カテーテル検査」といわれましたが、調べたところ「脳血管造影検査」というものにあたるようです。書類にも脳血管造影検査と記載されていました。脳血管撮影について写真つきで解説しているPDFを見つけましたので、良かったらご確認ください。(外部リンク)→脳血管撮影
PDFから、脳血管撮影について引用で紹介します。
足の付け根の太い動脈からカテーテルと呼ばれる直径約2mmの長い管を入れていき、そこから造影剤を入れて撮影する検査です。(引用:脳血管撮影)
私の場合は「手首または腕からカテーテルを入れるが、だめなら足から」と聞いていました。
脳動脈瘤については書籍での説明がくわしいので、ぜひチェックしてみてください。
検査入院前日
検査入院前日は普段通り過ごせました。ただし喘息患者は、造影剤投与にあたり発作を抑える薬の服薬が必要です。
この薬は、確定診断にあたって行われたCT検査でも飲んでいます。
私はメドロール錠2mgを服用しました。薬は造影剤投与12時間前・2時間前に16錠ずつ飲みます。
1回あたりの量は多くて苦いものの、小さい薬ですので特に飲みづらくはありません。
検査が昼なら、薬を飲むのは夜の0~1時ごろです。最初は朝の5~6時に飲むよう指示されましたが、早起きするよりは夜に飲むことにしました。
検査当日の流れ
検査は一泊入院での実施です。朝食はとってもOKでしたが、PCR検査のため1時間前からの飲食は禁止でした。
9時ごろ病院についてPCR検査を行い、陰性との結果を受けて病室へ移動。
左腕から点滴を入れ、14時前ごろに血管撮影室に移動しました。(画像は実際の点滴の様子です。)
血管撮影室ではカテーテルを入れる側の腕に局部麻酔をして、カテーテルの挿入をします。
一番痛かったのが、この麻酔でした。あまり効かず、追加で麻酔を打ってもらってカテーテルを挿入。血管が細いせいかカテーテルも入りづらかったようです。
腕には違和感と痛みがあり「痛い」と何度も伝えました。ただし麻酔のおかげで、耐えられないほどの痛みではなかった気もします。
カテーテルが入ると、造影剤を入れての撮影開始です。造影剤が入ると猛烈に熱くなるので、すぐわかります。撮影終了後は、ベッドで横になったまま病室へと戻りました。
カテーテル検査後の痛み
私の場合は、検査をした部分の痛みはありませんでした。ただし点滴をしている左腕は痛かったようです。ひどく内出血をしていたため、漏れていたのかもしれません。
カテーテルを挿入した部分は、空気が入ったバンドで止血されていました。このバンドは痛かったです。画像が、そのバンド部分となります。オレンジ色になっているのは消毒です。
18時過ぎに夕食がありましたが、特に問題なく完食しています。
疲れて眠かったものの、右手のバンドが痛くて眠れませんでした。
先生から説明がありましたが、当日だったのか翌日なのか、記憶が曖昧です。
1時間おきに2CCずつ空気を抜き、23時ごろバンドが取れ、ようやく就寝しました。
検査翌日の流れ
起床後は特に痛みもありませんでした。検温や血圧測定が何度もありましたが、特に変わったところもなかったようです。荷物を片付けて10時前には退院しました。
その後は食事なども通常通りです。
1泊2日の入院(食事は2回・患者4人利用の準個室使用)で、費用は約44,000円かかっています。
今回は限度額適用認定以下の金額だったので、そのまま全額の支払いです。
検査入院後の流れ
入院中も医師から軽い説明を受けましたが、後日改めて検査結果を聞きに行きました。
すでにコイル塞栓術での治療をするための仮予約済の状態です。
ところが「検査で卵巣に嚢胞が確認されたので、治療が必要な病気かの確認が必要」だと言われました。
脳動脈瘤の手術後は、血液が固まらないよう薬を服用するとのこと。しかし卵巣から出血があるとまずい可能性があるのだと聞きました。
私の場合は卵巣ですが、他の場所に異変があったときも同様の判断が行われるのかもしれません。
脳動脈瘤も要治療ですが緊急性はないので、まずは婦人科を受診することになった次第です。
婦人科での検査結果
婦人科では内診やエコー検査が行われました。そこで造影剤検査で引っ掛かったのは「機能性嚢胞」が原因だと判明しています。
機能性嚢胞とは、卵巣内の空洞から生じるものです。大抵は直径1.5センチ以下のようですが、私の場合は2センチ以上ありました。
通常は数日で自然になくなるものとのことです。特に治療が必要ではないとの診断を受けました。
脳動脈瘤&脳血管造影検査のFAQ
脳動脈瘤がある・治療が必要……そういわれたら、誰でも多少は不安に感じるでしょう。
私も検査や治療について、不安に感じました。医療従事者でもなく、くわしいことを知らなかったからです。
そこで体験・医師からの説明・調べた結果をもとに、よくある質問や答えを紹介します。
ただし痛みや状況は人によって変わるため、参考程度に考えてもらえますと幸いです。
造影剤が入ったときの「熱さ」とは?
造影剤を入れる検査では、事前に「熱く感じる」との説明を受けるはずです。私は確定診断のために行われたCT検査時も、検査入院時も造影剤を使いました。
確かに造影剤を入れると、一瞬だけ体が非常に熱くなります。これが想像を超える熱さなのです。
特に不快ではないものの、失禁したのかと思ったのも印象的でした。
全身が熱くなるものの、長時間は続きません。
初めてだと驚きますが、我慢できる範囲です。
脳動脈瘤は絶対に治療が必要なの?
治療が必要かは、年齢や脳動脈瘤の大きさによるようです。日本脳ドッグ学会では次のようなガイドラインを設けています。
- 脳動脈瘤が直径5ミリ以上である
- 脳動脈瘤が破裂しそうな形をしている
私の場合は両方に該当するとのことでした。
未破裂動脈瘤は、25ミリを超えると出血のリスクが高くなるそうです。
医師によると「老人なら経過観察をする大きさだが、年齢からみた今後の危険性を考えると治療を推奨する」とのことでした。
そのため、治療を受ける前提で話を進めています。
脳動脈瘤の自覚症状はある?
大抵の脳動脈瘤は自覚症状がないとのことです。私は慢性的な頭痛持ちですが、未破裂動脈瘤との因果関係は分かりません。
特に気になる症状もないと感じています。ただし急激に大きくなると、複視や眼瞼下垂などの症状が出る人もいるようです。
くも膜下出血の前兆としては、激しい頭痛が良く知られています。普段と違う激しい頭痛の症状が出たら、病院で相談してみるのがおすすめです。
カテーテルを入れた部分はどのくらいで回復する?
強い痛みではなかったものの、直後は右腕が動かしづらいと感じました。落ち着いたのは1~2日後です。
点滴していた左腕の内出血が消えるまでにかかった期間は約1週間。
6日後にはKing Gnuのライブに行ける程度には元気で、生活に支障がない状態でした。
カテーテル検査後すぐに仕事をした?
私の場合は退院の当日から仕事をしました。
すぐに復帰できたのは検査だけだったからでしょう。
検査だけなら、業種にもよりますが仕事は可能だと感じます。
ただし腫れや違和感はあるので無理は禁物です。
なお治療については、コイル塞栓術で腕からカテーテルを入れるなら、5~7日の入院と聞いています。
喘息患者でも造影剤検査は可能?
喘息患者は、造影剤による副作用の発現率が高いとのこと。
造影剤検査はできるものの、事前に発作を避ける薬の服用が必要です。
かなり苦みの強い薬が処方され、16錠ずつ、検査の前に2回飲みました。
処方される薬は病院によって違うかもしれません。
未破裂脳動脈瘤の検査や治療は限度額が適用になる?
入院時の説明によると、検査・治療とも健康保険が使えて限度額も適用です。
ただし私の場合は、限度額以下だったので、検査での限度額適用はありませんでした。
ちなみに今回知ったのですが、病院によってはオンラインで限度額を確認して適用してくれます。
役所に行く必要がないため便利です。
検査入院や治療での入院は生命保険の給付金が出る?
治療にあたり生命保険の給付金が出るか不安なかたも多いでしょう。
入院前に確認したところ、次の保険会社では「入院は対象」とのことでした。
- こくみん共済
- 損保ジャパンひまわり生命
コイル塞栓術も給付金対象になりそうですが、審査もあるため申請してみないと不明です。
ちなみに手術に対する給付金は4月に受けた「鼓室形成術」より低い金額でした。
鼓室形成術についての記事もありますので、良かったら合わせてご確認ください。⇒【体験談】鼓室形成術とは?手術後の経過や痛みなどをくわしく紹介
将来のために保険は随時見直すのがおすすめ
「脳動脈瘤で治療が必要」といわれて心配なのは費用です。今回の検査入院だけでも、約44,000円がかかっています。
私はフリーランスのライターであるため、休み=収入なし。保険は2社入っているものの、手厚い内容ではありません。
会社員時代に喘息を患ってしまったため、追加加入ができない状態です。年齢や働き方に変化があったら、保険の見直しをすることを強くおすすめします。
無料保険相談などを活用し、現状に合った保険を選びましょう。トップレベルのFPに相談できるサービスもありますので、活用してみてください。
検査後すぐに歩ける?
私の場合は腕からのカテーテルだったため、検査後は歩ける状態でした。
足からの場合は、自由に歩けるまで時間がかかるそうです。
手元にある病院からの資料には「足からの穿刺なら検査5時間後から歩行可能」とあります。
ただし状態にもよるため、確認のうえで病院の指示に従うのがおすすめです。
脳血管造影検査での痛みは少ないので安心
造影剤を使った検査が初めてなら不安に感じる人もいるでしょう。未破裂動脈瘤での脳血管造影検査自体は、麻酔をするので痛みは強く感じられないはずです。
ただし麻酔の注射には痛みがあります。
麻酔や造影剤による影響が出る可能性もありますので、詳しくは医師の説明を受けてください。
実際にコイル塞栓術を受けたら、また体験談を紹介する予定です。
原因が解明されていないため脳動脈瘤の予防は難しいかもしれません。
早期で発見するためにも定期的に健康診断を受けることをおすすめします。
また体調が悪いときは早めに病院を受診しましょう。
実際の入院や手術についての記事もありますので、ぜひ併せてご覧ください。⇒【体験談】 未破裂脳動脈瘤の手術は怖い? 痛み・入院・手術について!
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