地震・津波・停電・断水など災害発生時の注意点や備えについて
令和6年、能登半島で大きな地震が発生しました。同8月8日16時43分には日向灘で地震が起き、「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が出されています。まだ大きな地震が起こる可能性もあるため、気をつけなくてはなりません。
この記事では、2021年2月福島沖で最大震度6強の地震が発生した際にnoteで執筆した「地震や停電、断水時の注意」をベースに、地震・停電・断水時の注意事項をまとめました。普段のブログ記事とは少し毛色が違う記事ですが、該当のnoteを現在非公開にしていることもあり、こちらに掲載します。
不安を煽る気はありませんが、知っておくと対処しやすいことも多いでしょう。
まだまだ他にも注意すべきことはあるかと思いますが、当時の記録をもとにした内容です。
ひとりでも多くのかたが、怪我や病気なく安全に過ごせることを願っています。
令和6年能登半島地震の概要
発表によると、令和6年能登半島地震の最大震度は7です。暫定値でマグニチュード7.6、16時以降、震度1以上の地震が59回発生しています。各地に大津波警報・津波警報・津波注意報が出されました。1日21時の段階では、まだ明確な被害状況がわかっていません。
該当地域ではその後も緊急地震速報と余震が続いています。ニュースを通じて確認できた被害情報は以下のとおりです。
- 輪島市で火災
- 道路の寸断
- 建物の倒壊・損傷
- 停電
- 1メートル20センチ前後の津波
該当の地域では、安全な場所でお過ごしください。
地震・停電・断水時の注意
以降は、次の情報からまとめた、「地震・停電・断水時の注意」です。
- 3.11での自分自身や親族の経験
- 断水時の経験
- 3.11で被害が甚大だった地域の被災者に対するインタビュー
3.11の数年後、数百人分の被災体験のインタビューを文章にまとめました。なかには3度の大津波を体験した人もいます。そのインタビューのなかで得た気づきや知識も含めた内容です。ただし現実では、予想もしない出来事が起こる場合があります。戸建て・集合住宅による違いもあるでしょう。その場合は臨機応変に、安全を優先した対処を行ってください。
地震発生後に津波のリスクがあり避難が必要なとき
大きい揺れのあとは、警報・注意報の有無に関わらず、海や河川の近くには寄らないでください。
警報や注意報がある地域では、そのまますぐに避難しましょう。
津波の高さが足首ほどだとしても、足を取られると逃げられなくなるおそれがあります。
- 所有する浜小屋や船を見に行く
- 貴重品を取りに戻る
- 家族が来るのを待ってから逃げる
そう思う気持ちも非常に理解できるのですが、危険です。3.11では、そのパターンで命を落とした人が大勢います。
いきなりの地震と津波で緊急避難場所の打ち合わせができていないかもしれません。その場合、それぞれが高台に逃げる方法が安全です。合流できたら今後の緊急避難場所について相談しておきましょう。
川は津波が逆流してくるおそれがあります。渦を巻いている、逆流しているといった状況なら危険です。
津波の影響がない場合の対策もシチュエーション別にいくつか紹介しますので、安全なときにご確認ください。
停電していないとき
停電していないのなら、スマホを充電しておきましょう。モバイルバッテリーもあれば充電します。あとから強い地震で停電するパターンもありますので、車を持っているならDCで充電できるようにするのがおすすめです。
ガスの元栓は締めます(※エラーが出て締まっている場合もあります)。安全を確認できるまで、火の使用は避けましょう。
停電するとガソリンスタンドも使えなくなります。ガソリンスタンドが使える地域では、ガソリンを入れたり、(必要があれば)灯油を買っておいたりすると安心です。もちろん灯油を使う暖房器具を使っていないなら不要です。
ちなみに停電すると基本的にはガソリンスタンドは使えません。使えるようになるとしても災害車両優先になり、混みます。
ガス漏れのリスクがなく、火も使える場合は、停電していても反射板式ストーブがあると簡易的な煮炊きは可能です。被災地で新たに入手するのは難しいと思われますが、関係のない地域で、冬の震災への備えを考えるなら、あると便利かもしれません。※揺れを感知すると消えるものが一般的ですが、使用時は余震にくれぐれも注意してください。
断水していないとき
揺れが強かった地域は、あとから断水することがありますので、水を貯めておくと安心です。
飲み水は、やかんやなべなどの清潔な容器に貯めておきます。飲料水がどのくらいで届くようになるかは地域次第です。
東日本大震災では国道4号線のおかげもあって、沿岸地域の被害は非常に大きかったものの、物資は早い段階で届くようになりました。しかし能登半島の地震では地理的に物資運搬が難しく時間がかかっていると報じられています。そのため、数日分あればOKと簡単には言えなくなってしまいました。
トイレの水は思ったより必要です。下水道の使用に制限がかかっていないか確認してから使用しましょう。特に集合住宅は注意が必要です。国土交通省によるトイレに関するPDFがわかりやすいので、ぜひ併せてチェックしてみてください。
停電しているとき
停電時はブレーカーを落とします。(夜のうちに復旧すると街灯がつくので気づけます)
食器やガラスが割れているなら、明るくなってから片づけましょう。割れているものがある場合は素足で歩かないようにしてください。割れたもの・壊れたものは写真を撮影しておくと、地震保険が適用になることがあります。建物の被害を含め、明るくなってから安全を確認のうえで撮影しておきましょう。
破片は素手で触らず、ガムテープなどを使って取り除きます。数メートル離れた場所まで飛んでいることもありますので要注意です。
火災を避けるため、あかりは懐中電灯やスマートフォンを活用してください。やむを得ずろうそくを使う場合は、余震のたびに面倒でも消します。3.11ではあかりが足りず早い時間にはジェルキャンドルも使いましたが、余震を考えると使用しない方がよいでしょう。背の高いキャンドルは危ないため絶対に使用しないでください。
自宅で過ごす場合、寝るときは避難路を確保します。服を着たまま寝ると、何かあってもすぐに逃げられます。靴も近くに用意しておきましょう。
寒いと不安が増すため、暖かくして寝てください。眠れないかもしれませんが、数日は強い余震が続く可能性があります。休めるときに、なるべく睡眠をとるようにしておきましょう。
停電についての備えの記事もありますので、あわせてご覧ください⇒備えあれば憂いなし!停電対策に使える「モバイルバッテリー」の話!
地域が停電していて充電はあるのに圏外になるとき
発災直後は使えていても、基地局の電源がなくなると携帯は圏外になります。基地局が故障して使えなくなる可能性もあるでしょう。
その場合は、場所を変えると使えるようになる可能性があります。
しばらく待つしかありません。避難所では(日数はかかるかもしれませんが)衛星電話が使える場合があります。
※携帯の電波については3.11のときの状況を参照した内容です。その後各社が対策を進めているため、改善されている可能性があります。
断水しているとき
水を貯めていない状態で断水する可能性もあります。
その場合は自治体が給水車を手配するはずです。自治体によるアナウンスや(確認可能なら)ホームページをチェックしてみましょう。
断水が復旧するまでには時間がかかります。
食事では、食器にラップをして使うと、洗う必要がありません。風呂の残り湯はトイレに使えます。手洗いができないときは除菌スプレーやシートなどを活用しましょう。
避難所で過ごすとき
大勢の人が多いため、落ち着かないかと思います。
場所によっては発災直後は物資が少ないかもしれません。
物資については、3.11の場合は初日は不足しているところも少なくありませんでした。時間をかけて整うところもあります。
物資類はともかく、避難所で女性が過ごすときは、なるべくひとりにならないように気をつけましょう。
多くは書きませんが、こういうときでも、悪い人はいます。
常に家族か信頼できる人、あるいは女性と一緒に過ごすようにすると安心です。大丈夫だろうと油断せず、なるべく誰かと一緒に過ごして身を守りましょう。
自宅にいるが避難の可能性があるとき
3.11の体験談で非常に多く出ていたのが、薬と眼鏡を忘れた話でした。津波のおそれがある地域では「避難」を最優先に考える必要があります。
津波の心配がなく、余震に対する安全性確保のために避難所に行くといった時間に余裕がある避難の場合は、薬と眼鏡を忘れないようにしましょう。
いずれは手に入りますが、時間がかかるおそれがあります。
避難せず停電や断水もないとき
避難せず停電や断水もなく、自宅で過ごす人も多いでしょう。その場合も余震に気をつける必要があります。
物流が滞る可能性もありますが、一時的なものですので、過剰な買いだめの必要はありません。地域にもよりますが、3~7日程度の備えがあれば問題ないでしょう。
何を揃えたらいいかわからないときは、防災セットを活用するのも方法のひとつです。また、防災セットを参考にアイテムを揃えるのもよいでしょう。防災士が監修した防災セットもありますので、チェックしてみてください。
赤ちゃんがいるご家庭では、紙おむつや粉ミルクなども必要です。余震が続くため、家具が倒れるおそれがある場所で眠るのは避けます。
地震・津波では正しい情報を確認して安全を確保
強い地震と大きな津波の予報に、眠れない夜を過ごす人も多いでしょう。残念ながら不安を煽るようなデマも少なくありません。災害が発生すると、過去の津波映像を使ったデマ画像が流れることもあるようです。
不安を煽らないためにも、情報は公的な機関から出たものを参照する必要があります。
少しでも安全な場所で、無事にお過ごしください。
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